TNR活動の目的
TNR活動(ティーエヌアール活動)は、主に以下の目的で行われます。
- 地域猫の数を増やさない: 野外で繁殖する猫(地域猫)に不妊手術(避妊・去勢手術)を施すことで、無秩序な繁殖を防ぎ、結果的に地域猫の数を減らすことを目指します。
- 猫による生活環境への影響を軽減する: 発情期の鳴き声、糞尿、マーキングといった猫による生活環境への影響を軽減し、人間と猫が共生できる環境を目指します。
- 猫の福祉を向上させる: 不妊手術によって、望まれない妊娠や出産、子猫の死亡といった不幸な事態を減らし、病気や怪我をした猫を保護する機会を作ることで、地域猫の福祉向上に貢献します。
TNR活動の手順
1情報収集と準備
- 地域の猫の状況を把握します(数、性別、健康状態など)。
- TNR活動を行うための人員、捕獲器、運搬用ケージ、手術動物病院の予約、手術費用などを確保します。
2 捕獲(Trap)
- 安全に猫を捕獲するための捕獲器を設置します。
- 猫が警戒しないように、捕獲機に慣らしながら捕獲を行います。
3手術(Neuter)
- 捕獲した猫を動物病院へ運び、獣医師による不妊手術(避妊または去勢手術)を受けさせます。
- 同時に、健康チェックや必要な医療処置(ワクチン接種、ノミ・ダニ駆除など)を行うこともあります。
- 手術済みの目印として、耳にV字カット(さくら耳)を施します
4 返還(Return)
- 手術後の猫が十分に回復した後、元の生活場所に戻します(リリース)。基本的には手術の翌日にリターンします。
- リリースする際には、元の場所の環境や世話をしてくれる人がいるかなどを確認します。
TNR活動の注意点
TNR活動を行う際には、以下の点に注意が必要です。
- 安全性の確保: 猫の捕獲や運搬の際には、猫と人の安全に十分配慮する必要があります。捕獲器の取り扱いや猫の扱いに慣れていない場合は、経験者の指導を受けるようにしましょう
- 地域住民への説明と理解: TNR活動の目的や方法を丁寧に地域住民に説明し、理解と協力を得ることが不可欠です。誤解や反発を招かないよう、コミュニケーションを密に図りましょう。
- 猫の健康状態の把握: 捕獲した猫の健康状態を注意深く観察し、手術に耐えられる状態か獣医師に判断してもらう必要があります。
- 手術後のケア: 手術後の猫が安全に回復できるよう、適切な場所で安静にさせ、状態を観察することが重要です。基本的には手術翌日にリターンします。
- 無理のない範囲で継続する: TNR活動は継続的な取り組みが重要です。無理のない範囲で、息長く活動を続けることが大切です。
- 関連法規の遵守: 動物愛護に関する法令や地域の条例などを遵守して活動を行う必要があります。